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2018.03.04

桜餅のこと・・・葉っぱは食べるや?食べざるや?

■関東と関西の違い

 甘い桜の香りと薄紅色のお餅が心うきたつ春に似つかわしく、花を味覚でも楽しませてくれる桜餅は、「おいしい」という喜びが季節のなかで何倍にも感じられるように思えます。
子供のころから見なれた桜餅ですが、関西と関東では大きな違いがあることをご存知でしょうか。

 関西では餡をもち米で包んでいます。あるいは上菓子屋では道明寺粉を使います。
道明寺粉と申しますのは、蒸したもち米を乾燥させて細かく砕いたものをいいまして、
むかし道明寺(大阪府藤井寺市)というお寺で保存食として考案されたものです。
一方関東では、小麦粉の生地を薄く焼いたもので餡を巻いたものが一般的です。
もちろん関西でも関東でもそれぞれ桜の葉で包むので桜餅なのですが、同じ呼び名のお菓子でこんなに姿が違っているのも珍しいのではないでしょうか。


■葉っぱ食べるや食べざるや■


 ルーツをたどると、小麦粉を使った形のものが最初のようで、東京隅田川のほとりの長命寺で江戸時代の享保年間に売り出されたといいます。
門前にありあまる桜の葉の掃除に追われるうちに、これを利用して花見客に団子を売ろうと思いついたそうです。

 享保と申しますと八代吉宗の時代で、ちょうどそのころ庶民の間にもお花見がはやり始め、
それにつれて桜餅も大ヒットし、春の風物として定着したのです。



 ところで桜の葉は召し上がられますか。葉を食べるか食べないかについては、こんな話が伝わっています。



 田舎から隅田川にお花見にやってきた一行が、名物の桜餅を買って川辺で食べていると、それを見た江戸っ子が「かわをむいて食べてらあ」と冷やかすのです。
それは「せっかくの花を見ないで川を向いている」という意味だったのですが、聞いた人は「皮」つまり桜の葉をむいて食べていることを冷やかされたと勘違いし、
それからは桜の葉は食べるのが粋だということになったそうです。




 ことの真偽はともかく、甘さのお口直しに桜の葉をちょっと口にしてみるのも桜餅の楽しみと言えそうです。