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2018.02.18

雛祭りのこと

■ヒナという言葉

 

インドからスリランカ方面に伝わった仏教を、以前は「小乗仏教」と言いました。サンスクリット語で「hinayana」、これは「小さい乗り物」を表し「hina:ヒナ」は「小さい」を意味する言葉です。 日本語の「ひな」もこれに由来します。 インドからも中国からも文化習俗が伝播し、日本はその行きどまり。ひな祭りにも遠い昔遠い国に生きた人々の文化が伝わっています。

 

■おひな様のもめごと

 

まだ長女が小さかった頃、突然に「なんでひな祭りは休みの日じゃないの?」とのたまいます。「五月のお節句は休みなのに!」と。 「あれは子供の日でありまして、男の子も女の子も休めるんであって・・・」と、こっちはしどろもどろ。長女は憮然とした顔つき。なんでかなあと少し思いつつ、「ひな祭りだってもとは女の子のためじゃなかったんだし・・・」「じゃなんでお人形飾るの?」「えーっと、それはたしか・・・」

 

■雛人形の役割

 

子供のころ、神社から白い紙を切って人の形にしたものが届くことがありました。形代(かたしろ)というそれで、一家のものはそろって身体を撫で、最後にふっと息を吹きかけます。 それが厄払いでした。
これは中国の道教という古い民間宗教に由来します。つまり紙や土で作った人形(ひとかた)に自分の災厄をうつし、それを流したり埋めたり壊したりすることで厄を払ったのです。
実は雛人形も同じで、昔はやはり白い紙でできていましたが、平安時代のころから次第に華美なお人形になったようです。 今でも地方によっては行なわれている「流し雛」は、わが身の災いを人形に託して流し去るのです。 古来厄払いは水辺で行なわれてきました。
「流す」ことが肝要であったからです。京都の城南宮などでみられる「曲水の宴」も、古くは水辺で行なう禊であったのです。


「・・・というわけだからお雛様は大切にしないとばちが当たるぞよ」
「だからそれはそれとして、なんで休みにしてくんないのかって・・・」


 

■春の弥生のこのよき日

 

三月三日は「上巳」(最初の巳の日)ともいい、江戸幕府によって定められた五節句の一つです。 お人形を飾るひな祭りは、勇ましい行事が多かった端午の節句が男の子の節句としてとらえられるようになったため、これに比してだんだんと女の子の成長を祝うお祭りとして意識されるようになったのです。
元禄の頃になると、雛飾りの調度品も豪華を競うようになりました。
本来は性別や年齢に関係なく、お人形に厄を払ってもらうというお節句だったのですね。

「・・・で、結局ひな祭りはお休みになりそうもないのね、しょんぼり・・・」
「こどもの日をもう一日増やしてもいいかもね」
「そんな無責任なあ・・・」
やれやれ