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十三夜とは──十五夜との違いと、月見団子・栗に込められた秋のこころ

2025年11月 吉日 | 和菓子歳時記

秋の夜空に浮かぶ月を愛でる風習は、日本に古くから伝わる美しい文化のひとつです。
なかでも「十五夜」は広く知られていますが、それに続く「十三夜」もまた、日本ならではの奥ゆかしさを感じさせる行事です。

日本独自の風習「十三夜」──もうひとつの名月

「十三夜(じゅうさんや)」とは、旧暦の9月13日にあたる夜のことで、十五夜(中秋の名月)から約1ヶ月後に訪れます。
この夜に見る月は「後(のち)の月」とも呼ばれ、十五夜とはまた異なる趣があるとされてきました。

特に日本では、十五夜と十三夜の両方を祝うことが美徳とされ、どちらか一方だけしか見ないことを「片見月(かたみづき)」として縁起が悪いとする言い伝えもあります。

芋名月、栗名月──自然とともにある暮らし

十五夜は「芋名月(いもめいげつ)」、十三夜は「栗名月(くりめいげつ)」または「豆名月」とも呼ばれています。
これは、それぞれの時期に収穫される自然の恵みを供えることから名付けられたもので、月見は単なる観賞ではなく、収穫に感謝する意味合いも込められているのです。

空に浮かぶ月を見上げながら、芋や栗、豆など秋の実りをいただく──そんな自然とともにある暮らしの姿が、そこには映し出されています。

十三夜と満月──2025年秋、ふたたび月を愛でる

中秋の名月「十五夜」から約ひと月後に訪れる「十三夜」。
2025年は11月2日(日)がその日とされ、11月5日(水)には空高く満月が昇ります。

「十三夜」は、日本独自の月見の風習で、「後(のち)の月」とも呼ばれます。
やや欠けた月の姿に趣を見出すこの文化は、日本人ならではの美意識の表れともいえるでしょう。

一方で、片方の月だけを見ることは「片見月」といって、縁起が良くないとされることも。
十五夜に加え、十三夜にも月を愛でることで、巡る季節と自然のリズムに心を添わせる──そんな昔ながらの過ごし方も、あらためて見直されています。

秋が深まり、澄んだ空に浮かぶ月。
月見団子や栗のお菓子を添えて、心静かなひとときを過ごしてみませんか。


参考:
▶︎国立天文台|2025年11月の天文情報(十三夜・満月の解説)

月見団子

お月さまのような、伝統の月見団子

秋の実りを詰め込んだ「十三夜セット」のご案内

福壽堂秀信では、十三夜の季節に合わせて、栗と団子を詰め合わせた「十三夜セット」をご用意しました。
秋のお月見をより味わい深くする、小さな和の贈りものです。

  • 4個入セット(栗こもち×2・月見団子×2)
  • 6個入セット(栗こもち×3・月見団子×3)
栗こもち

しっとりとしたもち生地に包まれた、やさしい栗の甘さ

「栗こもち」は、丁寧に炊き上げた粒餡を、やわらかな餅生地で包んだ季節限定のお菓子です。
一口ふくむと、栗のやさしい甘みと、もっちりとした口あたりが広がります。

和菓子で感じる、秋という季節

日本の和菓子文化において、「栗」は秋を象徴する素材のひとつ。
栗羊羹、栗蒸しようかん、栗きんとん──そして「栗こもち」もまた、秋を楽しむお菓子として親しまれてきました。

季節を映す和菓子は、見た目や味だけでなく、行事や自然と人の営みをつなぐ存在でもあります。
「和菓子で季節を感じる」──そんな丁寧な暮らしのなかに、そっと寄り添う一品として。
十三夜の夜には、ぜひ栗のお菓子とともに、月を愛でるひとときをお楽しみください。

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