2026年1月9日|歳時記・贈り物マナー
年が明け、お正月の賑わいもひと段落。けれども、「まだ年始のご挨拶ができていない」「喪中の方に贈り物を届けたい」という方も多いのではないでしょうか。
そんなときに心を届ける方法として、寒中御見舞があります。
松の内とは?──年神さまを迎える静かな時間
松の内(まつのうち)とは、お正月に門松を立て、年神さまをお迎えして新しい一年の福を授かる期間のことを指します。
年神さまは、豊作や家内安全をもたらすとされる新年の神さま。その年神さまが家々に滞在する期間が「松の内」です。
このあいだは、正月飾りを外さず、年始の挨拶や祝いごとも「新年」として扱われます。
つまり松の内は、暦の上だけでなく、日本人の心の中でお正月が続いている時間でもあるのです。
ただし、この松の内の期間は地域によって違いがあります。
- 関東をはじめ多くの地域では 1月7日まで
- 関西地方では 1月15日まで
関西で松の内が長いのは、古く宮中行事や年中行事の名残をより色濃く伝えているためとも言われています。
そのため、同じ日本の中でも、正月の「終わり」の感覚には、地域ごとの風情が残っているのです。
「御年賀」は松の内まで──その後は「寒中御見舞」へ
お年賀の贈り物には、のし紙の「表書き」に気を配ることも大切です。
これは単なる形式ではなく、相手への敬意や季節の節目を意識した日本ならではの礼儀といえるでしょう。
- 松の内までの贈り物:表書きは「御年賀」
- 松の内を過ぎた贈り物:表書きは「寒中御見舞」または「寒中お伺い」
「御年賀」は年神さまをお迎えしている期間(松の内)の間だけ使える祝いの表書きです。
そのため、1月7日を過ぎた関東地域、1月15日を過ぎた関西地域では、「御年賀」は使わず、「寒中御見舞」と記すのが礼儀となります。
この小さな心配りひとつで、受け取った方に「丁寧なご挨拶だな」と感じていただけるかもしれません。
季節のうつろいに寄り添う日本の贈答文化は、そんな繊細な心遣いからできています。
寒中御見舞 贈るタイミングとマナー
寒中御見舞は、立春の前日(2月3日頃)までに贈るのが一般的です。
年賀状を出しそびれた方、喪中の方へご挨拶をしたい場合、または体調を気づかうメッセージを添えて──。寒中御見舞は、お祝いではなく、いたわりや心配りの気持ちを伝えるやさしい風習です。
寒の頃、梅と天神さま
松の内のにぎわいが過ぎた頃、天満宮の梅園を訪ねると、冬の静けさが広がっていました。
新春に百花に先んじて咲くとされる梅ですが、寒中の時期に花を開くのは、ほんの数枝ほど。香りも控えめで、空気に溶け込むようにただよっています。
天満宮に祀られるのは、菅原道真公。讒言により大宰府へ左遷される際に詠んだ歌──
東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花
主なしとて春な忘れそ
この歌に応えるように、梅が道真公を追って大宰府まで飛んだという伝承が残されており、「飛梅(とびうめ)」として今も大切にされています。
梅の花と人とのかかわりは、古くから親しまれてきたもの。
寒さが続くなか、そっとほころぶ梅の香りが、静かな季節の移ろいを知らせてくれます。
和菓子に想いを託して──寒中御見舞の贈り物
言葉とともに、和のやさしさを添えて。
福壽堂秀信では、季節の詰め合わせや、お日持ちのする干菓子・焼菓子など、寒中御見舞にぴったりの贈り物をご用意しております。
目上の方や親戚へのご挨拶、離れて暮らすご家族への贈り物に。丁寧に包装し、のし紙やメッセージカードのご相談も承ります。
寒さきびしき折、心やすらぐひとときを──。
寒中御見舞に、和のぬくもりを添えてみませんか。