福壽堂秀信

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盆菓子「落雁(押物)」──召し上がってこそ本物です

盆菓子「落雁(押物)」──召し上がってこそ本物です

投稿日:2025年8月|カテゴリ:和菓子のこと

「落雁って、お砂糖のかたまり?」

そう思っている方も多いのではないでしょうか。

子どもの頃、八幡さんでもらった「押しもん」は、なんだか味が薄くてパサパサしていて…。でも、それとはまったく違うのが、福壽堂秀信の落雁です。

これはまさに、目にも涼やかな、そして口にして驚く、職人仕立ての芸術品。

落雁(押物)とは

福壽堂秀信では、毎年お盆の時期だけ作る特別な和菓子、「落雁(らくがん)」がございます。

生産工場には、木型で落雁を打ち出す「カンカン」という音が、朝から晩まで響き渡ります。

一般にお盆のお供え物として扱われがちな落雁ですが、当店では「召し上がってこそ、本物」と考えています。

お供えの後に、あるいはその前に、ぜひ一口お召し上がりください。

絶妙の「しとり(湿り気)」

上質な落雁は、カリンと固く割れるものではありません。

福壽堂秀信の落雁は、和三盆糖に寒梅粉や水飴を加え、絶妙な「しとり(湿り気)」を持たせています。

この生地作りが、本物なのです。

中に入っているのは「ねき餡」

さらに驚かれるのが、その中身。

実は、福壽堂秀信の落雁には、自家製の「ねき餡」が入っているのです。

「ねき餡」とは、水飴をたっぷり使った落雁専用の餡。水分をやや抑えて炊き上げ、落雁の生地に水気が移らないように工夫されています。

しっとりとしていながら、べたつかず。餡が生地となめらかに溶け合う瞬間は、ほかの和菓子ではなかなか味わえない魅力です。

ねき餡

ねき餡

落雁(押物)の生地

色付けと糖質の水分で湿らせて調整した砂糖を
落雁粉、寒梅粉、和三盆糖、でん粉と合わせます。
木型に打つための生地の合わせとして、まとまり具合は硬すぎないように、また崩れないように職人が生地を握った感覚で、生地の水分を調整して絶妙の「しとり(湿り気)」をもたせています。

最後に生地にフシ(かたまり)の無いように、とおしで生地をこします。
これを、各色ごとに手作りしております。

見た目にも涼やかで、色と形に心がときめく──

そして一口いただけば、ふんわりとほどけて餡と混ざり合うやさしい甘さ。

お盆の飾り物としてだけでなく、「召し上がってこそ落雁」。

そんな想いを込めて、今日も職人たちが木型に生地を打ち込んでいます。

落雁(押物)の型打ち工程

型に生地を入れる

① 木型に生地をふわっと入れ、

でも型がきちんと出るように力加減をしながら、隅々まで生地を押して固めます。

ねき餡を入れる

② 中餡となる「ねき餡」を入れる

丁寧に中央に配置します。

さらに生地を重ねる

③ さらに生地をのせる

餡を包むように上から重ねます。

平型で押す

④ 平型(平らな板)で押して固める

均等な力でしっかりと押し固めます。

型から外す

⑤ 型から外す

木型から角など崩れないように外し取り出します(表面はまだはまっています)

安定させる

⑥ 安定させるために一晩寝かせて、

翌日に個別包装します。

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